こんにちは。株式会社grooves Forkwell事業部の赤川です。
つい先日、私たちが主催したイベントでちょっとしたハプニングがありました。
そのイベントのコンテンツに、福岡から東京に飛行機で来て頂くまつもとりーさんによるパネルディスカッションがあったのですが、イベント当日の朝に急遽東京に行けなくなってしまった、という連絡がありました。
過去に、リモートでの登壇発表は何度か見たことがありましたが、リモートでのパネルディスカッションは見たことがありません。
その時点でのイベント参加登録者数は90名を超えていました。
主催者である私としては、直ちに、中止にするか、実行するか、実行するならどうやるのか、を判断する必要がありました。
本日は、このシチュエーションを Zoom を使ったリモートパネルディスカッションによって乗り切った経験をご紹介します。
同じ環境を用意すれば、誰でもリモートでのパネルディスカッションを成立させることができますので、
- 私と同じシチュエーションに遭遇するかもしれない方
- 遠隔地の登壇者による双方向性のイベントを企画している方
- 2会場以上での同時イベントを企画している方
にお役に立てていただければ幸いです。
目次
- 実際に使った機材の構成図と解説
- 最小限の機材での構成図
- 準備時のチェックリスト
- おわりに
実際に使った機材の構成図
実際のイベント模様
- 自分たちでも驚くほど、スムーズなコミュニケーションができました。
- 参加者アンケートの結果は、中継に関する不満が一切なく、イベントの満足度も満足以上が90%以上となりました。よかった!
構成図の解説
Zoom がおすすめな理由
- Zoom を用いると、一つのパソコンで、画面共有とカメラ中継の両方を行うことができ、会場の雰囲気とスライドを同時に伝えることが可能です。
- ただし有料会員でないと40分で中継が終了してしまいます。リモートワークする際に Zoom マジ最高なので会社に頼むなどして有料会員になっておくといいでしょう。
- Hangouts 等を用いる場合は、スライド共有用のパソコンと会場中継用のパソコン(またはスマートフォン)を用意すると良いでしょう(設定は後述)
クリアな音声を届けよう
- 会場の音声をリモート登壇者へ届けるために、会場スピーカーの近くに会場音声用マイクを置きました(Bluetooth のマイクだと設置位置の自由度が高くて良いです。私のおすすめは Jabra SPEAK 510 です)。
- 会場音声用マイクがスピーカーに近いほど、参加者と同じ情報を同じ品質でリモート登壇者が聞ける状態になります。
- マイクの音声をラインで取れたらベターでしたがその設備はありませんでした。
- リモート登壇者の音声は、プロジェクター・ミキサーを通じ、会場のスピーカーから流しました。
- このときのボリュームが、会場マイクからのボリュームと同じになるように揃えました。
- プロジェクターからラインでミキサーにつなげない場合は以下の選択もあります。
- パソコンから音声ジャックを通して、直接ミキサーにつなぐ方法(スマートフォンのZoomアプリからミキサーにつないでもOKです)。
- パソコンから出る音を登壇者マイクで拾う方法(これはできれば避けたい)。
- リモート登壇者には、ヘッドセットを使ってもらいました。
- 会場側が受け取る音声がクリアになります。音声は大事です。
会場の雰囲気をリモート登壇者に伝えよう
- 会場の様子を中継するためのカメラを用意しました。
- これにより、登壇者が会場のフィードバックを得ながら進行できるようになり、自分も参加している感、当事者意識を感じることができます。
- 相手からのフィードバックがないと、声が届いているのか不安になるのは、リモートあるあるですよね。
リモート登壇者の表情を会場に伝えよう
- Zoom だと画面共有時にも常にリモート登壇者の表情が画面に出せるので、より一体感がでます。
- プロジェクターへの投影方法はミラーリングを用いました。
- ミラーリングを用いると、リモート登壇者を窓枠から表示する設定が少し簡単になります。
- ファシリテーターがスクリーンを見ながらコントロールする必要がなくなるため、進行がスムーズになります。
通信トラブルに備えよう
- Zoom を中継するパソコンはなるべく有線LANを用いるとよいです。
- 参加者が無線LANを利用すると通信速度が落ちる可能性があります。
- 今回の会場は有線がなかったので、無線が不安定な場合に備えて、映像中継を切り、音声のみを配信することも想定していました。
- 映像中継を切った場合にも発表できるよう、事前にスライドを共有してもらい、会場側でスライドを手送りできるようにしていました。
反省点
- 音が反響する会場だったので、リモート登壇者が少し聞こえにくかったようです。
- 通常の会場より、タイムキーパーによる意思疎通が難しかったです。
- チャットを活用して時間を連絡できたらよかったかもしれません。
- こればっかりは仕方がないのですが、懇親会を楽しみにしていた方には申し訳なかったです。
- リモート中継を決定した時点で、すぐにその旨を connpass を通じて参加者へ送信しましたが、それに気づけない方もいらっしゃったので他の方法も模索したいです。
最小限の機材での構成図
プチ解説
- Zoom から出た音声を登壇者マイクで無理やり拾う方法です。
- 会場の音声、映像はスマートフォンで中継します。
- その際、スマートフォンから音声が出ないようにしておきます。
- この構成の場合、Zoom ではなく、Hangouts や Appear.in でも大丈夫です(品質は Zoom が一番だと思います)。
この方法のデメリット
- リモート登壇者が受け取る音声がクリアではなくなります。
- リモート登壇者が、自分の話した声が自分にかえってきてしまうので、話しにくくなります。
- 機材の相性や通信状況によっては、ハウリングが起こりうる設定です。必ずテストしてください。
こんな方法も…
準備時のチェックリスト
上記の方法をいつでも実行できるように、イベント前に確認しておくべきことをリスト化しました。
- 模式図にある機材は揃っているか?
- パソコンから出る音声(リモート登壇者の声)を会場から流すことができるか?その方法は?
- 登壇者用マイクの本数は?(大きな会場だと2本以上ないと難しい)
- 登壇者用マイクの音声を、ミキサーからラインで出力することができるか?
- その際、登壇者のパソコン位置につなぐための十分な長さのケーブルはあるか?
- 中継用のパソコンを有線LANにつなぐことは可能か?
- その際、登壇者のパソコン位置につなぐための十分な長さのケーブルはあるか?
- 登壇者の発表資料を事前に中継パソコンに収集しているか?
おわりに
今回のイベントは、エンジニアの方々にアウトプットの重要性を伝えることがテーマのイベントでした。
その中で、登壇者のkwappaさんが、自分の仕事の具体的な経験を抽象化し、一般化して社会みんなが使えるようにアウトプットするとよい、という発表をされておりました。
それはいい!と思ったので、早速、自分のイベントでのトラブル経験をアウトプットしてみました。
参考になりましたら、ツイート、はてぶなどをお願いします。
また、赤川のこれまでのアウトプットはこちらにまとまっていますので、興味ある方はぜひご覧ください。